マンションの総会の招集や決議の手続きに瑕疵がある場合の総会決議の効力について
マンション関係訴訟において多く見られる訴訟類型のひとつとして、総会決議の効力に関するものがあります。総会の招集や決議に関する手続きは、区分所有法や管理規約の定めに基づいて行われなければならず、これらの手続きに瑕疵がある場合、原則として総会決議は無効となります。しかし,総会決議が無効になると、管理組合内部のみならず、第三者に対する関係においても影響を及ぼすことになることから、決議の瑕疵が重大でなく、かつ、その瑕疵があったことが決議の結果に影響を及ぼさないことが明らかであるような場合には、決議は無効とならないと解されています。
なお、実際の裁判で総会決議の効力が争われる事例としては、マンションの管理運営に関して住民間で対立が生じ、理事長の立場をめぐり選任決議や解任決議の効力が争われ場合や、管理規約の変更により一定の制限を受けることになる区分所有者が、区分所有法31条1項後段の手続きが行われていないと主張して管理規約の変更に関する総会決議の効力を争う場合などがあります。