交通事故における車両の損害について
交通事故により車両に損害が生じた場合、原則としてその修理費が損害賠償額となります。修理未了の場合も現実に損傷している以上、修理費相当額の請求が可能です。例外として、修理費用が事故当時の車両時価額(消費税相当額含む)に買替諸費用を足した額を上回る場合は経済的全損として買替差額が損害賠償額となります。また、買替のために必要となった登録、車庫証明、廃車の法定の手数料相当分及びディーラーの報酬部分(登録手数料、車庫証明手数料、納車手数料、廃車手数料)のうち相当額、自動車取得税は損害として認められます。
なお、事故車両が登録から年数が短かい場合や高級車の場合は、走行距離、被害の程度を踏まえ、上記修理費に加え評価損として修理費用の数パーセントから数十パーセントの損害賠償額が認められることがあります。 裁判例を概観すると、高級車で初年度登録からの年数が比較的短く、走行距離も短い車両で認められる傾向にありますが、一般車でも上記に加えフレームに損傷が及んでいるような場合には評価損が認められる傾向にあります。評価損については、一般社団法人日本自動車査定協会で査定をしてもらうことができますが、この査定通りに裁判で認められるとは限りません。